最近、麻生圓兵衛商店では道明寺粉を使った関西風の桜餅ばかりPRしておりますが、小麦粉を使った焼き生地で包む関東風桜餅でも弊社製品が活躍していますので、ご紹介致します。
その製品とは落雁粉で、蒸した餅米を乾燥し細かく粉砕した後、白く焦げないように煎ったものです。
※落雁粉は地域により、上早粉/春雪粉/みじん粉/本極みじん粉/白イラ粉/上南粉/真挽粉等の様々な呼称があります。
落雁粉はその名の通り、主として落雁等の打ち菓子・押し菓子に使用される粉で、麻生圓兵衛商店では大きさや煎り具合別に13種類の落雁粉を製造しております。
落雁粉はもち粉や寒梅粉などと異なり、一般的な粉というよりも、細かい粒が集まった粉です。
その為、この微妙な粒感が落雁粉の特長とも言えます。
関東風桜餅の場合、生地にこの落雁粉を10~15%程度練り込むことによって、小麦粉だけでは出せない、独自のモッチリとした食感を得ることができます。
まさに関東風桜餅の名脇役的な存在、落雁粉。
良質な国産もち米を100%使用した落雁粉を是非お試し下さい!
道明寺粉を使用した桜餅のシーズン真っ最中ですが、今回は麻生圓兵衛商店での道明寺粉製造工程について紹介します。
おおまかな流れは以下の通りです。
①原材料となる良質な国産水稲もち米を精選・精米します。
(麻生圓兵衛商店では外国産米は一切使用しておりません、国産米100%です!)
②洗米して米糠やその他異物を洗い流します。
③一晩水に浸漬して水分を含ませます。
④たっぷりの蒸気で蒸し上げます。
⑤蒸したもち米を乾燥機に入れ、一昼夜かけてじっくりと乾燥させます。
⑥乾燥したもち米を粉砕機を使って、徐々に細かくしていきます。
⑦シフター(篩い機)で丸粒~6ツ割まで大きさ別に分けていきます。
⑧色彩選別機を使用して、着色米やその他異物を取り除いて完成です。
この中で、麻生圓兵衛商店が最もこだわっているのは、⑤の『一昼夜かけてじっくりと乾燥させる』の部分です。
その昔、現在のような乾燥機など無い時代、道明寺粉は天日で乾燥し作っていました。午前中から日が沈むまでじっくりと太陽の光で乾燥させていたのです。
しかし現在、このような製法は気候の影響を受けやすく、実際の菓子需要にも対応していない為おこなわれていません。
時代が進むにつれ、製造方法が効率化され、多くのメーカーでは短時間で製品化するような設備が整っていますが、その反面、短時間での乾燥によってもち米本来の風味や食感が損なわれているのも事実です。
麻生圓兵衛商店では短時間での大量生産はせず、もち米にダメージがかからないように、一昼夜かけ朝までじっくりと乾燥させます。
手間も時間もかかりますが、このことによって風味・食感の良い道明寺粉ができあがるのです。
米粉製品は自然からの恩恵を受けて作るもの。
麻生圓兵衛商店ではできるだけ昔ながらの製法を守り、風味をいかした製品作りを心がけています。